インフルエンザと風邪のちがい

インフルエンザは風邪の症状を起こす病気の一種で、インフルエンザウイルスが感染して発症します。
一般的な風邪より症状が重く体力の消耗につながりやすい病気ですので、普通の風邪とは区別して扱います。

通常の風邪はのどや鼻に症状が現れるのに対し、インフルエンザは急に38~40度の高熱がでるのが特徴です。さらに、だるさ・筋肉痛・関節痛などの全身症状も強く、これらの激しい症状は通常5日間ほど続きます。
また、気管支炎や肺炎も併発しやすく、重症になると脳炎や心不全を起こすこともあり、体力のない高齢者や乳幼児などに感染しますと命にかかわる場合もあります。

2017年度冬季に当院でインフルエンザと診断された方の推移をこちらからご覧いただけます。
インフルエンザ発生状況

2015年度にインフルエンザを含めたかぜ症状で当院を受診された方について、1年間の来院状況をこちらからご覧いただけます。
かぜ症状の季節変動


インフルエンザの症状

インフルエンザの典型的な症状は

  • 突然の発症
  • 38℃を超える発熱
  • 上気道炎症状(のどの痛み・せき・たん・鼻水など)
  • 全身倦怠感(だるさ)・筋肉痛・関節痛などの全身症状

です。


インフルエンザ流行時期

インフルエンザは毎年12~3月に流行します。
これは、温度が低く乾燥した冬には、空気中に漂っているウイルスが長生きできるからです。また、乾燥した冷たい空気でのどや鼻の粘膜が弱っています。
加えて、年末年始の人の移動で ウイルスが全国的に広がるのもひとつの原因だと言われており、これらの原因が重なって流行しやすい時期となっています。

2017年度冬季に当院でインフルエンザと診断された方の推移をこちらからご覧いただけます。
インフルエンザ発生状況


インフルエンザの感染のしかた

飛沫感染
感染している人のくしゃみや咳で出るしぶきを吸い込むことによる感染。くしゃみや咳を浴びる距離(2メートル程度)にいる人は感染の危険性が高い。
接触感染
唾や鼻みずが手から手へ、あるいはドアノブやつり革などを介して手に付着することなどによる感染。手に付着しただけで感染することはありませんが、付着した手で、口や鼻、目などの粘膜を触れることで感染します。

感染を受けてから1~3日間の潜伏期を経て症状が突然あらわれ、約1週間で軽快します。
感染した方から他の方への感染性は、発症の1日前からあり、24時間~48時間がもっとも高く、その後は急に低下し全体ではは5日~10日間程度続きます。


インフルエンザ予防の基本

流行前に

インフルエンザワクチンを接種

インフルエンザワクチンは、流行株とワクチン株が一致していたとしても、完全に発症を防止できるものではありません。
しかし、65歳以上の高齢者に対して行った調査で、インフルエンザにかかった人の34%~55%は予防接種を受けていればかからずに済んだこと、またインフルエンザにかかって死亡した人の82%は、予防接種を受けていれば死亡せずに済んだことが報告されています。

インフルエンザ予防接種につきましては、こちらもご覧下さい
インフルエンザ予防接種を受けられる方へ

インフルエンザが流行したら

  • 人込みや繁華街への外出を控える
  • 外出時にはマスクを利用
  • 室内では加湿器などを使用して適度な湿度に
  • 十分な休養、バランスの良い食事
  • うがい、手洗いの励行
  • 咳エチケット
咳エチケットとは・・・
  • 咳やくしゃみが続くときはマスクをしましょう
  • 咳やくしゃみをするときは、ティシュなどで口と鼻をおおいます。使用したティシュにはインフルエンザウイルスが付着しているため、すぐゴミ箱に捨てましょう。
  • とっさの咳やくしゃみは手ではなく、袖や上着の内側でおおいます。手でおおった場合は手に付着したウイルスを他に広げないように手を洗いましょう。
    抗インフルエンザ薬予防的投与について

    抗インフルエンザ薬の予防的投与の適応は、
    「インフルエンザウイルス感染症を発症している患者の同居家族又は共同生活者である下記の者を対象とすること」
    となっております。

    • 高齢者(65歳以上)
    • 慢性呼吸器疾患又は慢性心疾患患者
    • 代謝性疾患患者(糖尿病等)
    • 腎機能障害患者

    上記の対象者以外は適用外となりますので、
    周囲で流行しているため、
    出勤や登校のため、
    などの理由で抗インフルエンザ薬の処方を希望された場合、当院では処方しておりません。抗インフルエンザ薬の濫用を防ぐため御了承下さい。


    インフルエンザにかかったら・・・

    • インフルエンザのような症状を感じたら、カゼだと考えずに, 医療機関を受診して治療を受けましょう。
      院内感染を防ぐため、ご来院前に必ずお電話下さい。
    • 安静にして休養しましょう。睡眠を十分にとりましょう。
    • 水分を十分に補給しましょう。お茶, ジュースなど、飲みたいもので結構です。
    • インフルエンザは感染力が強いので、マスクを着用し、また、無理をして学校や職場などに行かないようにしましょう。

    インフルエンザ迅速診断

    当分の間インフルエンザ迅速検査は実施いたしません。飛沫による院内感染の予防のため何卒御了承下さい。

    学校保健安全法では・・・

    学校保健安全法では、発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児の場合は3日)を経過するまで出席停止とすることになっています。